キャリアパスによってもたらされるメリット

キャリアパスとは、キャリアアップするための道筋のことを指す。現在介護業界ではこのキャリアパス制度が注目されており、厚生労働省も力を入れている。その理由は、将来的に予測される介護士の急激な需要の高まりと人材不足の問題を解決するためである。人材不足の大きな原因は、賃金水準と賃金上昇率の低さだ。介護士は重労働と賃金が見合わないために、離職する人が後を絶たない。そこで、能力や経験値・資格によってキャリアアップし、賃金が上昇するキャリアパス制度ができたのだ。

介護士には、介護職員初任者研修、実務者研修、介護福祉士、介護支援専門員(ケアマネージャー)、認定介護福祉士といった資格がある。キャリアパスモデルとして、介護福祉実務者研修を経て、国家資格受験資格である介護福祉実務者研修を取得し、そのあと国家資格である介護福祉士に挑戦できる。

もしケアプラン作成といったポジションで介護を支えたい場合は、実務経験を積んで介護支援専門員(ケアマネージャー)を目指す道もある。さらに現場では介護職のリーダーとして、地域では介護力の向上に貢献したい場合は介護福祉士の上位資格にあたる認定介護福祉士を目指すキャリアパスも存在する。

キャリアパスによって目指すべき未来を描きやすくなり、やりがいある仕事のモチベーション向上が見込めるようになる。介護士にとってより良い環境作りと賃金保証されるこの制度は、スキルや専門性の高い人材の定着につながり、今後の需要が高まる介護業界の希望となるのだ。良い人材の定着は、結果としてサービス向上を生むだろう。